Searching for The Searchers
語るに及ばずとはならないイギリスの老舗バンド
The Searchers(サーチャーズ)は1960年代のマージー・ビートを代表するグループの一つである。
ビートルズやローリング・ストーンズほど語られることは少ないが、1960年代のブリティッシュ・インヴェイジョンを支えたグループとして、彼らの名前は外すことはできない。
R&Bを土台にしながら、美しいコーラスと洗練されたアレンジを武器に独自のサウンドを確立した彼らは、今なお高く評価されている。
1962年にはビートルズと同様にハンブルグのスター・クラブにも出演し、同クラブで合計128日間、1日3回ステージという過酷な環境で腕を磨いた正真正銘の叩き上げのバンドだ。
ザ・ドリフターズの『Sweets for My Sweet』のカバーでデビュー。全英1位を記録し、一躍人気グループとなった。
サーチャーズとは?R&Bで終わらなかったサーチャーズ・サウンド
サーチャーズの始まりは、高校の同級生だったJohn McNally(ジョン・マクナリー)とMike Pender(マイク・ペンダー)が結成したスキッフル・グループにさかのぼる。
その後、リヴァプールでジョニー・サンドンのバックバンドとして活動して経験を積んでいった。
バンド名はジョン・フォード監督の「捜索者」(原題:The Searchers)が由来。
黄金期の中心メンバーは以下の4人。
John McNally(ジョン・マクナリー):リズムギター
Mike Pender(マイク・ペンダー):リードギター、バッキング・ボーカル
Tony Jackson(トニー・ジャクソン):ベース、バッキング・ボーカル
Chris Curtis(クリス・カーティス):ドラム、ボーカル
当時の多くのビートグループがR&Bやロックンロールのカバーを中心としていた中、サーチャーズは独自のアレンジやコーラスワークによって個性を打ち出した。
ハーモニーを重視したボーカルが特徴的で、メンバーが織りなすコーラスも美しい。
64年にトニー・ジャクソンが脱退するなど逆風に見舞われ、グループのサウンドに変更を余儀なくされるが、音作りに磨きをかけてイギリスだけでなくアメリカなどでもヒットを飛ばした。
R&Bの荒々しさとポップなメロディを両立させたことがサーチャーズ最大の魅力だろう。
聴くならこの曲たちから
Sweets for My Sweet
全英1位を獲得したデビュー曲。原曲のキューバ風のリズムを余すことなくサーチャーズ・サウンドへと再構築している。
Love Potion #9
日本でもよく知られているナンバー。元曲はザ・クローバーズ。軽快なアレンジとコーラスがサーチャーズらしい一曲。
Needles and Pins
マイク・ペンダーがリード・ボーカルを務めた名カバー。哀愁を帯びたメロディと落ち着いた歌声が見事に調和した一曲。
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Saturday Night Out
トニー・ジャクソンの高音リードボーカルが映えるキャッチーな曲。隠れた名曲として、今なおファンに根強く愛されている。
捜索者たちの残した足跡
ビートルズやローリング・ストーンズほど注目される機会は少ないものの、サーチャーズは今なおマージー・ビートを代表するグループとして高く評価されている。
彼らのコーラスワークや12弦ギターを活かしたサウンドはアメリカのフォーク・ロック勢でも高い評価を受け、ザ・バーズに影響を与えたとも語られる。
今こそ聴きたい理由
まだ一般的ではなかったアメリカのR&Bやポップスの一部を独自の感性で再構築し、美しいコーラスと洗練されたアレンジへと昇華したバンドだった。
さらに彼らが取り入れた12弦ギターの響きは、後のフォーク・ロックやギター・ポップにも大きな影響を残している。
ビートルズやローリング・ストーンズの陰に隠れがちだが、彼らもまたブリティッシュ・インヴェイジョンの立役者である。
次回はGerry and the Pacemakers(ジェリー&ザ・ペースメイカーズ)を紹介