壁|ω・`)やあ
ようこそ、ROCK ISLAND LINEへ。
私が誰かって?いや、名乗らないでおこうか。
ここは音楽の寄り道と、ちょっとした小話を扱う、小さな休憩所だ。
これは私の奢りだ。
── Have a Drink on Me.
それじゃ、適当に飲みながら聞いていってくれ。

スキッフルとは何だったのか

壁|ω・`)「まずはここから説明しようか」

スキッフルは、アメリカのフォークミュージックを土台に、ブルース、カントリー、ブルーグラス、ジャズなどの要素を取り入れて生まれた音楽ジャンルである。
ギターだけでなく、手作りの楽器や即席の楽器を使うことが多いのが特徴で音が出るものなら何でも楽器になった。

壁|ω・`)「つまり”高い楽器がなくてもロックはできる”って話だ」

アメリカで生まれたジャンルだが、1950年代にロニー・ドネガンを中心にイギリスで大ブームになる。
前述したとおり、高価な楽器がなくとも中古の手頃なギターや日用品で参加できるので労働者階級の若者たちを中心に世代問わず人気を集めた。
後のブリティッシュ・インヴェイジョンを支えるロックバンドたちの原点となった。

壁|ω・`)「ビートルズやローリング・ストーンズも、最初はここから始まったんだ」

なぜイギリスの若者はスキッフルに夢中になったのか

壁|ω・`)「楽器がなくても音楽はできる。それが魅力だったんだ」

高度な演奏技術を必要とするジャズや、シンプルに見えて奥深いブルースとは違い、「聴く」と「自分たちで演奏する」の間にあった壁を、スキッフルは取り払った。
また、スキッフルは世代問わず、 子どもから大人まで年齢関係なく参加できるのと、当時のイギリスで階級関係なく気軽に音楽を楽しむ参加型文化は、当時のイギリスの人たちの心を掴むのに十分だったと考えられる。

壁|ω・`) 「垣根を払って楽器を持って演奏しようとしたきっかけはロニー・ドネガンという訳さ」

スキッフルで使われる身近な物たち

壁|ω・`)「スキッフルで主に使われる楽器を紹介しよう」

壁|ω・´ )「まずはこの写真を見てほしい。この一枚に、スキッフルの世界がほとんど詰まっている」 

スキッフルの楽器

参考:「Skiffle equipment,1985: Barry Lewis / Wikimedia Commons」(掲載画像は加工しています)

壁|ω・`) 「番号順に紹介しよう」

❶ギターは分かるね。3コードでガンガン弾けるから、当時の若者が最初に手にする楽器だった。

❷ギターの横にある小ぶりの弦楽器はマンドリン。コロコロとした音色がスキッフルによく合う。

❸棒がついた箱のような楽器はティーチェスト・ベース。スキッフルの象徴とも言える、手作りベースだ。

❹ウォッシュボードはそのまま洗濯板。スプーンや金属片でこすったり叩いたりしてリズムを刻む。

他にもこんな身近な物や楽器が使われた。

  • スプーン
  • ハーモニカ
  • バンジョー(太鼓のようなボディを持つ弦楽器)
  • カズー(アフリカの民族楽器)
  • ジャグ(水差し)

壁|ω・`)「空き缶やバケツ、フライパンまで音が鳴れば何でも楽器になった」

壁|ω˘ `)「スキッフルは、身近なものを工夫して音楽に変えた若者たちの文化だったんだ」

ロニー・ドネガンが起こしたスキッフル革命

壁|ω・´)「時は来た。スキッフルなくして英国ロックなし」

スキッフルは当時でもあまり知名度が高くなかったが、ロニー・ドネガンが演奏の合間に弾き始めたのをきっかけにイギリスでヒットした。
シンプルな楽器編成であり、身近なもので音を出せる。真似事でも誰もが楽器を持ち、すぐに始められる手軽さが当時のイギリス人のDIY精神に火を付けた。
ギターを手に入れ、仲間を集め、洗濯板やティーチェスト・ベースまで持ち出して音を鳴らす。そんな若者たちがイギリス各地で増えていった。

スキッフルからブリティッシュ・ロックへ

壁|ω・`)「ここから先は、君たちの知っているバンドへ繋がっていく」

スキッフルは1950年代、当時の若者たち中心にイギリス中を熱狂させた。
それは、今まで「聴く」側だった人々が、自ら「演奏する」側へ回るきっかけになったと言っていい。
特に当時10代の多感な時期を過ごしていた彼らにとって、伝統的で行儀の良い音楽にはない、自由で刺激的で創造する楽しさを見出した。
1960年代、70年代のイギリスを代表するバンドやミュージシャンたちの多くは、スキッフルを嗜み、また音楽のキャリアをスタートさせた。
スキッフル自体は現在あまり注目はされないが、ブリティッシュ・ロック、ポップの源流となっている。

スキッフルが残したもの

壁|ω・`)締めといこうか
スキッフルはロックンロールより少し前の話。
だけどこの話を知らないと、英国ロックは始まらない。
チャック・ベリーのギターを聴いた少年たちは驚いた。 
そしてロニー・ドネガンは、

壁|ω‐`)『君たちもできるよ』と言ってしまった。
『誰もが楽器を持つ権利がある』と、背中を押したんだ。

壁|ω・`)英国ロックは最初から英国ロックではなかった。
皆、始めは手探りで試行錯誤しながら形を少しずつ変えて、整えて、アレンジして。
そして気付けば、それを人は”ブリティッシュ・ロック”と呼ぶようになった。

…その続きは、この店で少しずつ話していこう。

アイキャッチ参考:「Llandegai skiffle group: Geoff Charles / Wikimedia Commons」(掲載画像は加工しています)